水球

水球男子リオ五輪代表注目選手とルール!強化でメダルの可能性は?

32年ぶりにオリンピック出場が決定した水球男子。それは1984年のロサンゼルス大会以来となっています。

英語ではWater Polo (水球)と言います。ボールを手で扱うことから、水中のハンドボールとも言われている競技です。

華麗でスピーディーなパスワークと、シュートの豪快さが観客を魅了するのが特徴です。

多くのファンから「Poseidon Japan(ポセイドン・ジャパン)」という愛称で親しまれている水球男子日本代表。

ギリシア神話の中に登場してくるポセイドンのように力強く、そして水の中でボールを支配する日本代表であってほしいという願いから誕生たネーミングです。

またそのシンボルマークは、信念のゴールのような柱に、海に向かって立つ大鳥居と日の出という日本の力強さを強調しているマークとなっています。

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この水球競技の見どころは、最初は小さい波が所々に現れている程度ですが、それが少しづつ大きな波になって相手ゴールに迫っていく様子は見ていてとても爽快です。

もちろん個人の技術も必要ですが、何といってもチームワークが重要な競技といえるでしょう。

また別の魅力といえば、その鍛え上げられた肉体美でしょう。筋肉だけを鍛えたのではなく、スタミナを強化しながら無駄なぜい肉のみを落としたその身体はとても魅力的です。

さらにシュートを撃つ時、選手達は水を蹴って勢いよく浮かび上がります。その競泳パンツが見えるくらい、浮かび上がる選手はもの凄い選手なので競泳パンツに注目しながらしっかり観戦を楽しみましょう。

水球の基本ルールについて知っておこう!

男子は縦30メートル×横20メートル、水深2メートル以上のプールを使用して競技を行います。フィールド内には色付けされたラインがあり、それぞれに意味があります。

まず”白”はゴールライン・ハーフライン、”赤”はオフサイドライン(ゴールから2メートルの地点)。”黄”はペナルティライン(ゴールから5メートルの地点)といった意味を持っています。

チームの構成は、ゴールキーパー1名を含めた7名が競技に参加することができます。

7名以上15名以内で1チームとみなされています。試合中、残りの控えの8人のメンバーはベンチに座っていることが基本です。

使用しているボールはゴム製のもので、黄色と藍色に塗られた外周68cm~71cm、重量400g~450gの物を用いています。

気になる競技時間についてですが、8分計(正味時間を意味)と言われる時計を使用し、8分間のプレー×4ピリオドで試合を行います。

第2ピリオド終了後5分間の休憩(ハーフタイム)が入ります。その後、コートをチェンジします。

サッカーなどと同じで、得点やファールが行われた時、8分間時計はストップします。ですから、ロスタイムの様な時間が発生することがあります。

敵チームへの攻撃は30秒以内に行わなければなりません。この時間も30秒時計と呼ばれる時計できちんと計測されています。

攻撃中に限り、1試合に2回のみ”タイム”(1分間)をとることができるタイムアウトがあります。

また競技者をベンチの控え選手と交代する場合は、クォーター間か点が入った時、または試合中に交代することができます。

水球には軽い反則行為と重い反則行為のの大きく分けて2つのファールがあります。

サッカーで例えるなら、イエローカードとレッドカードのようなものです。重い反則行為には当然ながらペナルティーが科されます。

ではまず軽い反則「オーディナリーファウル」についてみてみましょう。この反則は何度犯しても退水の対象になることはありません。

たとえば相手選手の行動を妨害したり阻止したりする行為、攻撃開始から30秒以内にシュートをしなかった場合、相手選手の上を泳ぐこと、ボールを水の中に沈める行為、ボールを両手で持つことなどが反則となります。

一方重い反則行為「パーソナルファウル」は、もしこれを受けるなら、そのプレーヤーは一定期間プレーをすることが出来なくなります。このなかで2つのファウルに分けることができます。

そのひとつの”エクスクルージョンファウル”は、相手の選手を故意に殴ったり蹴ったりすることを意図的に行った場合、相手のパスやシュートを両手で防ぐ行為、コーナースロー、ゴールスロー、フリースローを妨害する行為、ゴールラインを触ること、そして相手選手を沈めたり、捕まえたりするなどの行為が反則となります。

また”ペナルティーファウル”と呼ばれるものは、パーソナルファウルとみなされるファウルがあった場合に、そのファウルがなければ得点されたとされる場合のみに適用されます。

それにはゴールを沈める行為や得点となりそうな攻撃を反則行為で止めること、また相手のパスやシュートを両手でブロックすることなどが含まれます。

水球日本代表、「Poseidon Japan(ポセイドン・ジャパン)」

ヘッドコーチ大本洋嗣を中心に、GKの棚村 克行、福島 丈貴、FPの飯田 純士、志水 祐介、保田 賢也、大川 慶悟、柳瀬 彰良、竹井 昂司、角野 友紀、筈井 翔太、志賀 光明、荒井 陸、足立 聖弥というメンバーです。

先日までグアムで強化合宿を行い、リオデジャネイロオリンピックに向けてコンタクトプレーの弱さや決定力の低さを克服するための徹底的な練習が行われました。

その内容は1日9時間にも及ぶもの。午前は2時間半のスイミング、午後は3時間の水球練習がメインとなり、ウエイトは午前午後の2回のトレーニングプログラムと練習に励んでおられます。

大本洋嗣監督は「十分強化を重ねて、1勝でも多く挙げられるように頑張りたい」と意気込みを述べています。

水球男子の注目選手!

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チームの守護神といえばGKの棚村克行選手。石垣島出身の26歳。

「生まれたところなので石垣島が好き。島の子どもたちの希望になりたい」と抱負を語っています。

二つ上のお兄さんの英行さんの背中を追って明大中野中で水球を始めた棚村克行選手。

水中の格闘技と言われる水球競技に引かれたそうです。またそれが強いことに憧れがあったと述べています。

明大中野中高は全国レベルの水球の強豪で、特に高校は全国総体9度の優勝を誇る有名校。

しかしその当時の棚村選手は主力のGKではなく、チームも全国総体切符を逃すという結果に。

高校で競技引退も考えていたそうですが、早大法学部教授の父親である政行さんの「逃げるのか」の一言で競技続行を決意したそうです。

その後進学した筑波大学での”ミスター水球”と呼ばれている青柳勧氏との出会いが棚村選手の人生の転機となりました。

青柳氏からの高いレベル指導を受けやる気を出し、大学3年時の2012年、お兄さんとともに日本代表入りを果たしました。

しかし同年行われたロンドン五輪はアジア予選で敗退という結果で幕を閉じました。

しかしそれをバネとし、大学卒業後は、新潟県に本拠地を置く社会人チーム「ブルボンKZ」で腕を磨き続けてきました。

そして昨年2015年の12月のアジア予選で中国に全勝し、アジアに1枠しかないリオデジャネイロリオデジャネイロオリンピックへの切符を獲得したのです。

トレードマークでもあるスキンヘッドとひげ。これは単なるファッションではなくきちんとした意味があるそうです。

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欧米の選手たちと比べるなら、体格が劣る日本の選手たち。そんな状況の中でゴールを守らなければならない棚村選手はひげとスキンヘッドといういかついルックスで相手の選手を威嚇するためにトレードマークとしているそうです。

184センチ、82キロの体格を生かした力強いセービングで最後のとりでを守るGK。

「兄や32年分の思いを胸に頑張る。ベスト8を目指し、一戦一戦全力を尽くす」と念願のオリンピックへのに向けて力強く抱負を宣言しています。是非、注目したい日本代表の選手のひとりです。

またフジテレビ系リアリティー番組のテラスハウスで有名な 保田賢也(やすだけんや)選手。

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地元富山でスカウトされたのがきっかけで水球の世界に入りました。富山県では毎年夏の時期に県内の小学生が水球に触れられる水球交流会という大会があるそうです。

それに参加すると決めてからは、水球の練習を毎日小学生のプールで行っていた安田選手。その練習の成果もあり小学生の時に優勝したそうです。

それを見ていたスカウト人の目に安田選手のプレーがとまり、スカウトされたnが始まりとなりました。

水球選手に平均年齢は18歳~27歳。安田選手は現在26歳という高年齢層になるもはやベテラン級です。チームの中核を担う大事な選手、オリンピックでの活躍が期待されている選手のひとりです。

日本のライバル国は?

今までのオリンピックの水球競技でのメダルの獲得数はダントツにハンガリーが最も多くメダルを獲得しています。

就学前から水球スクールがあり、小さい時から「水球」に親しんできているというハンガリーの選主たち。

日本の選手たちもハンガリーの水球チームに所属している方もいるようです。野球選手が本場大リーグへ行くようなものと同じように水球のトップレベルはハンガリーにあるわけですね。

また先日行われたワールドリーグ予選の3位決定戦でブラジルに12―13で競り負け、4位になってしまった日本代表。

ブラジルも良きライバル相手となることでしょう。本番ではこれをバネとし、リベンジしてくること期待しています。

32年ぶりの五輪への道

昨年2015年12月に五輪出場を決めるアジア選手権に赴いた日本代表。

出発時はカメラは3台しかいなかったのに、五輪出場を決め日本へ帰国するときは羽田空港にカメラの放列が待ち受けていたことに水球男子日本代表の大本洋嗣監督は、その反響の大きさに驚かれたようです。

今まで過去に日本代表は7度オリンピックに出場していました。しかし、1984年のロサンゼルス大会を最後にその道からは遠ざかっていました。

4年前に行われたロンドン五輪予選の時の日本代表選手は過去最強とも呼ばれ、多くの人から期待されていましたが、カザフスタンや中国などのライバル国に負けてしまいました。

今回も出場が決定している最年長選手の筈井(はずい)翔太選手は「失点は少なかったが、シュートを大事にいき過ぎた」と4年前を振り返り述べています。

その失意の予選敗退から4年、その間に3つの点を改善し今回の出場を決めることが出来ました。

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それは①環境と支援体制の拡充、②選手の海外挑戦、③過酷な練習で培ったチーム力という点です。

まず一つ目の改善はどのように行われたのでしょうか?当時、大学卒業は選手生活の終わりとみなされていた時代。

卒業後も競技を続けるということはとても難しいことでした。

プロチームは存在しておらず、個別のトップ選手はアルバイトをしながら生計を立てていくか、学生のままでいるかという究極な選択をしなければなりませんでした。

しかし2010年8月にイタリアのプロリーグなど世界の舞台で活躍してきた青柳勧氏を中心に、新潟県柏崎市クラブチーム「ブルボンウォーターポロクラブ柏崎」を設立しました。

有力選手の受け皿を作り、ブルボンや地元企業で働きながら水球に打ち込める環境を整える活動をし始めたのです。

その結果、支援の輪は他の企業にも広がっていき、若い選手たちも水球を続けやすい環境を得ることができるようになったのです。

また、海外でプレーする選手に水泳連盟が資金面で手助けしたのも改善され良い効果を生み出しました。

そもそも水球は、水深2メートルの足の付かないプールの中で選手たちが激しくぶつかり合うことから、「水中の格闘技」とも呼ばれている競技です。

体格が大きければその分有利ということになります。欧米各国の選手たちは平均身長が190センチを優に超える体格の持ち主ばかり。

それに比べ日本人選手は骨格が劣勢に立たされることがあります。

しかし海外リーグに参戦していたの竹井昂司選手は、「ハンガリーで体の大きい選手と戦ったことで、中国などアジアの選手とやっても大したことないと感じた」と、また主将の志水祐介選手も「一戦一戦の勝負に対するこだわりや勝負強さを磨くことができた」と述べ、海外での経験がプラスになり現在の日本代表を支える力になることを期待することができます。

また筈井翔太選手は、スロバキアで経験を積んできました。シュートを積極的に打って得点することの重要性や自分の強みであるスピードが通用する点を再確認できたと述べています。

最後の改善点として過酷な練習で培ったチームワークです。何といっても日々の練習とハードワークに裏打ちされたチームの団結がリオデジャネイロオリンピックへの切符への獲得へと導いたのです。

海外選手に比べるなら体格で劣る日本人が勝つためには「泳ぎながら守り、ボールを奪ったら素早いカウンターに出る」という方法しかないと考え出した監督。

教科書に反するこんな方法で勝つことが出来るのか!と選手の間では不満が上がったそうです。

しかしこれを実践するために泳力強化やウエートトレーニングを根気強く取り入れ行い続けました。

日本人選手の武器である泳力とスピードを生かしさらに鍛えるために、2015年10月に実施しされてグアム合宿では1日に最長1万メートルを泳ぎ、ウエートもおこなうというハードトレーニングを行ったのです。

「地獄の9日間だった」と述べる選手もいるほど、その練習はハードだったことがわかります。

そしてその二か月後の11月にはオーストラリアに遠征し、オーストラリア代表との練習試合やミーティングを行うことによりチーム力がさらに強化されました。

その結果が12月に行われた五輪出場を決めるアジア選手権で結果となり勝つことができたのです。

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この試合は中国で行われ、日本は完全にアウェー状態。状況としてはとても不利でしたが、強敵のカザフスタンと中国に勝つことが出来、五輪出場への道が開かれたのです。

この大会前の約2か月間、家に帰らずに毎日水球漬けの生活を送ってきた選手たち。しかもほとんどの選手たちは無職で海外クラブに属している選手たちも受け取ることができる報酬はおこずかい程度という現状。

是非オリンピックを機会にこの状況がさらに改善されることを願います。

32年間閉ざされていたオリンピックへの道が今こうして開かれたのは、選手やスタッフ、水泳連盟、支援企業の力が一つにまとまり結束したから、つまりチームワークの結果ということが出来るでしょう。

今現在、来月に控えているリオデジャネイロオリンピックへ向けて最終チームワークを鍛えている日本代表「Poseidon Japan(ポセイドン・ジャパン)」。その期待は今から」高まるばかりです!!