戦国時代の78キロ級で輝けるか 梅木真美の挑戦!
まず最初に断っておきますが、梅木は決してこの階級での金メダル候補一番手ではありません。
後述しますが去年の世界選手権で優勝しており、数年ぶりに日本人がこの級で優勝する快挙を成し遂げはしましたが、梅木の現状の世界ランキングは9位です。優勝候補に数えられる順位ではないのです。

しかし、梅木がオリンピックでメダルに届く可能性は十分に考えられます。その理由をひとつひとつ見てみましょう。
梅木真美
プロフィール 生年月日 1994年12月6日(21歳) 実績 世界選手権 グランドスラム アジア大会 アジア柔道選手権 ユニバーシアード 世界ジュニア |
絶対王者がいない78キロ級
梅木が戦っている78キロ級には、絶対王者といえる選手がいません。ランキング一位のアメリカ代表ケイラ・ハリソンも怪我などの影響で万全の状態ではなく、現状では誰が優勝してもおかしくない状況なのです。
上述しましたが梅木は去年の世界選手権で各国の強豪を破っての優勝を成し遂げましたが、同時にこの大会では新旧のオリンピックや世界選手権の優勝経験者が次々と序盤で敗れるという波乱もあり、全体の実力が極めて拮抗していることの象徴としても取り上げられました。

ここで大事になってくるのは、本人の成長の度合いは勿論のこと、そしてコーチの存在です。
梅木をマンツーマンでサポートする、日本の伝説の男
梅木の才能を早くから買い、そして彼女を今所属している環太平洋大学に誘ったのが、「平成の三四郎」の異名を取っていたバルセロナの金メダリスト、古賀稔彦です。
去年の世界選手権優勝の際、毎試合前に異なったアドバイスを彼女に送り、毎回自信をもって試合に送り出していたのが古賀でした。

金メダリストになる素質があるといって梅木を育て、そして結果見事にその言葉通り世界選手権で頂点に立った梅木ですが、今度はその実績を買われて一気にリオデジャネイロオリンピックの代表候補一番手に躍り出たのです。
どこまで修正できるか?梅木の弱点
無尽蔵の体力を武器に押せ押せで、ひたすら攻めの姿勢を貫く梅木のスタイルですが、立ち上がりの遅さがずっと指摘され続けています。
ケンカ四つという姿勢になってくるとその後の姿勢に移る際にもたつくことも多く、相手にとっては隙にもなりかねない危険なクセなので必死に修正しようと努力しているところです。
流れの中で柔軟に業を変えていく判断が遅いので、それが「もたつく」と言われる結果にもなっています。
ただ、その体力の強さで粘って最後に寝技に持っていく流れは得意な形の一つとしてもっており、弱点を克服しつつ得意な業をリオまでさらに磨いているところなのでしょう。

挑戦者として、その得意の攻めの形をどんどん発揮してくれれば、その先に金が見えてくるかもしれません。
リオの舞台では金メダルを期待したいですね!