オリンピックの開会式におけるメインイベントの一つといえる聖火台への点火は、毎回テレビ中継などを通して世界中のスポーツファンの目にするところとなっています。
もともとはギリシャ神話を元にした話が起源となっており、ギリシャ神話の神の一人プロメテウスが、主神ゼウスの反対を押し切って人類に「火」を与え、ここから人類が発展していったことを記念するという意味があります。

そのために聖火のスタート地点はいつもギリシャのオリンピアとなってきました。
聖火リレーは過去のすべてのオリンピックで行われてきたわけではありません。
もとは1928年のアムステルダムオリンピックにおいて、主競技場の設計を担当したオランダの建築家が競技場の中に塔をたて、開催期間中を通してそこに火がともされ続けるというアイデアを採用。
それが賞を受賞するほどに世界的に評価されたことをうけて始まりました。
続く1932年のベルリンオリンピックでは、当時ドイツを支配していたナチ党がプロパガンダの意味を込めて各国をリレーするというアイデアを出し、その後の大会でも同様の案が採用されていきました。
リオ五輪の聖火リレー
実は今回のリオ五輪では、各国を回る聖火リレーは行われていません。
四年前に中国の首都、北京で行われたオリンピックの時の聖火リレーでトラブルが相次ぎ、IOC(国際オリンピック委員会)は、今後は開催国内に限定して聖火リレーを行うということを発表したからです。
実際に今回は、ギリシャのオリンピアで火が点火されたのちに直でブラジルに送られ、開催の三か月ほど前からブラジル国内の各都市を回る聖火リレーが開催されています。
北京五輪当時、中国のチベット弾圧への抗議が世界的に激しさを増しており、実際に各国で行われた聖火リレーに際して抗議団体が聖火の火を消そうとしたり、北京五輪を支持するグループとの大規模な衝突によって怪我人が出る事態が多発し、それを受けてIOCによって今回のような決定が行われました。
各国を回る聖火リレーがないということで少し残念な気もしますが、しかしそこはやはり日本の20倍を優に超える広大な国土を持つブラジル、国内を回るだけでもとても大きなイベントとなります。
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今回は1万2千人の走者が聖火のリレーを行いながら国内の327の都市、約2万キロを走ります(北海道の稚内から沖縄までを三往復してもまだ足りない距離!)
8月4日リオデジャネイロに到着し、オリンピックの開会式を迎えるという算段になっています。
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ブラジリア、2016年5月3日
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— 駐日ブラジル大使館 (@BrasembTokyo) 2016年5月16日
ちなみに、基本聖火の燃料はプロパンガス、設計によって消えることも時たまありますが(日本の長野五輪の時にもたびたびリレー中に火が消え、設計ミスが指摘されていた)、実は火を絶対に消してはいけないという規則はありません。
安全を理由にたびたび故意に消されることもあるそうです。
本当に大事なのは最後の、主競技場に設置された聖火台への点火がうまくいくかどうか、ということでしょう。