23歳以下日本代表の手倉森監督いわく、チームのストライカーの一番手は彼、久保裕也なのだそうです。
確かにリオオリンピックのアジア最終予選の直前、彼不在のまま何度か行われた練習試合でチームは全体として不調。とりわけ得点力不足が顕著に表れており、生粋のストライカーの存在が求められていたのです。
現在はスイスのリーグで活躍する久保選手のすごさを少し見てみましょう。

久保裕也
プロフィール 生年月日 1993年12月24日(23歳) |
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サッカーにストイックな男
以前所属していたスイスリーグのヤングボーイズでは、3カ国語が飛び交う中で通訳なしでの生活をしていました。
共通語であるドイツ語のレッスンはチームに義務づけられているため、死にもの狂いでレッスンを受け、そしてチームメイトとも積極的に交流することで通訳を介してのコミュニケーションよりも深い絆を作ろうとしています。
海外進出を果たす日本人選手がぶつかる一番大きな壁はプレーの技術ではなく語学だとも言われており、確かに技術自体はチームの誰よりも上手いのにコミュニケーションが満足にいかずスタメンからはずされ、結局日本に帰ってきてしまう選手もいます。
そんな中で久保選手はドイツ語でインタビューの受け答えをすることを目標に、日々努力を重ねているのです(インタビューが受けられるレベルになると、レッスン義務がなくなる)。
久保裕也選手大活躍!
4月20日、FCルツェルン vs BSCヤングボーイズ 2:3
久保選手の2ゴール目が決勝点となりYBの勝利!
試合後のドイツ語でのインタビュー♪ 詳しくはのちほど。 pic.twitter.com/z4ihyA6Hdy— Swiss Fan Club (@swissfanclub) 2016年4月21日
毎日の生活は、基本的にサッカーの練習をするか語学レッスンを受けるかというルーティーンの久保選手、おかげで周りの選手や監督からの信頼も増し、ようやく15~16年シーズンはスタメンに定着して毎日試合に出られるまでになったのです。
出場した試合数は、なんと京都サンガ時代のキャリアを1年間で上回る試合数までに、久保裕也選手は、成長しました。
現在のチームでもドイツ語が大活躍です。2017年1月25日ベルギーKAAヘントに完全移籍で加入しました。
移籍金は、ヘントクラブ史上最高額で約350万ユーロ(日本円にして約4億2000万円)で、ベルギー1部リーグの平均年棒は約3750万円ですが、久保選手に至っては、この平均年棒金額よりも沢山もらっていると思います。
ちなみにヤングボーイズへ移籍した際は、移籍金額が約40万ユーロ(日本円にして約5500万円)と発表されていました。
サッカー選手の年棒は移籍金額の約半分といわれていますが、久保選手は移籍金額を4億超えていますので、さすがに2億以上は高すぎるのではないかと思います。
詳しい金額等は公表されていませんのでわかりませんが、他の選手よりも厚遇な金額をもらっているとの噂です。
1月29日第29節のクラブ・ブルージュ戦に、移籍後4日目にして速くも、スタメンデビューを果たし、フリーキックで移籍後初となるゴールを記録します。
さらには、第30節でのKVメヘレン戦では、見事なドリブルで4人抜きをして、3試合連続となるスーパーゴールをきめました。
ベルギーの国内リーグがスタートし今やヘントの中心的存在になりつつあります。
9試合連続で先発出場を果たし、移籍後3度目の3試合連続ゴールを決めるなどして大活躍しています。
自分のプレースタイルを守る!男の意地
ヤングボーイズでは、トップ下の選手としてアシストをする役回りを求められていました。
とりわけドイツで活躍する香川真司選手のようなプレースタイルを求められ、なんと香川選手のプレー集(しかもアシストシーンのみ)まで作って久保選手に見せたそうです。
ただ、生粋のストライカーとしてゴールすることを求め続けてきた久保選手には大きな葛藤となりました。
チームが求める選手として自分のスタイルを変化させるのか、それとも自分の意地を貫くのか。
勿論、中にはチームの状況によって自分のスタイルを変化させ、それで成功を収める選手も沢山いますし、それはチームプレーであるサッカーという競技においてある意味正解だともいえます。
しかし久保選手は結局、ストライカーとしてのプレースタイルを貫き、それで結果を出すことによって監督を黙らすという選択をします。
▼ヤングボーイズの久保裕也 2ゴール!
2点目の神トラップが凄い!#daihyo #jleague #サッカー日本代表 #samraibluepic.twitter.com/5mnwQVsRff
— ネコスポ(気軽にフォローどうぞ♫) (@nekospo) 2016年4月22日
サッカー日本代表対イラク代表
鈴木武蔵から久保裕也へのクロス先制ゴール!! pic.twitter.com/E1V7nbvt5W— 木下 直哉 (@basketer0209) 2016年1月26日
スタメンに定着するまではいかなかった14~15年シーズンでしたが、それでもトップ下として沢山のゴールやアシストを決めた久保には、チームも監督もそれ以上は何も言わなかったそうです。
そして今加入しているヘントでも久保選手は、自分のプレースタイルで、ストライカーとして大活躍をしています。今までの格闘を超えての活躍に、これからも頑張ってほしいと思います。
久保選手のプレースタイル・ポジション
始めの頃は、フォワードとしてプレーをしてきた久保選手ですが、全体的にプレーの技術が高く器用なので、トップ下やサイドのポジションで、日本代表でも2列目の右サイドを中心です。
久保選手が日本代表でも活躍できる理由として
・攻撃面の能力
・技術全体的が高い
・左右両足からのシュート
・プレーがシンプルかつ速い
と評価されています。
左右両足から放たれる強烈で精度の高いシュートとシュートレンジの広さを活かしたミドルシュートを得意としています。
正確なフリーキックの技術も持っていて、まさに万能型選手です。
久保選手は、長時間にわたってボールを持っていることが少なく、サイドで、ボールを受けたら素早くシュートを放つというシンプルで分かりやすく、切れ味もあります。
特にゴール前でのボールの受け方や、ラストパス、シュートに繋がるプレーに関してかなり高度な技術をもちトラップやボールのコントロールが上手いです。
また、久保選手のドリブルは、スピードに乗ったドリブルが特徴です。
ドリブルにスピードがありますが力強くもあり、フィジカルでも負けずに、ボールをキープする事ができるなど頼りになる存在です。
海外の反応・評価は?
そんな海外で大活躍中の久保裕也選手ですが海外での評価を見てみましょう。
ヘントへ移籍した冬は、地元メディアが「久保選手は最高の補強」と表して、絶賛しました。
「静かなるフットボーラーではあるが、久保選手は帝皇の力をもつ選手で、チームメイトたちとは、異なる特徴をもっている」
「久保選手は、現代の攻撃的なプレーヤーの典型だ。ディフェンスラインで駆け引きを行い、ボールをうけては適切なタイミングでシュートを放つ。【天才のタッチ】」と現地のコーチが絶賛しています。
チームメイトからも
「インテリジェントで、彼に求めていることを直ぐに理解してプレーに活かしてくれる。」
「とても彼は、効率的で、重用な存在です。久保選手が試合に入っていないと思うときでも、彼は突然何かができるんです。またチームの中で沢山笑顔も増えている。」
などなど大絶賛なコメントが尽きません。
また、チームメイトが次々と口にする言葉があります。それは
「なんて選手、シモンの最初の数ヶ月のようだ」
また地元メディアからは
「日本のメッシ・日本のマラドーナ」と報道されています。
海外の評価はさらに上昇しているようですね。
久保裕也のサッカーの原点は?
海外で活躍する久保選手のサッカーの原点はどこにあるのでしょうか?
まず、家族構成ですが父親は、柔道・剣道・空手に精通し、母親は合気道をしていたという格闘技一家に生まれました。
兄弟は、兄が1人いて、姉妹が1人いるかどうか噂になっています。家族構成にかんしては、あまり公表されていないようですね。
父親は『1秒たりともグレる時間がなかった』という父親の厳しいもとで育てられました。
久保選手に宿る闘争心は両親より受け継いだものであり、体育会系の教育を受けてきたそうです。
2歳年のはなれた武大(たけひろ)さんもプロサッカー選手として活動をしています。
現在では、5部リーグに所属しているそうです。
両親が格闘技をしていたのに息子達はサッカーとは少し不思議に感じますね!
久保裕也選手は5歳よりサッカーを始めて、小学生まではDFで活躍していたそうです。
しかし、山口市立鴻南中学校のサッカー部に入部し一対一での練習をして、得点感覚を掴みFWへ転向しました。
中学2年の時に京都サンガF・Cでスカウトを務めていた高本詞史さんに発掘されて京都サンガF・Cの下部組織にスカウトされました。
中学生3年生では、第39回全国中学生サッカー大会に、中国第1代表として出場したほかにも、チャレンジ!おおいた国体サッカー少年男子競技に、山口県代表で出場しました。
中学校を卒業後同中だった川原と共に、京都にある育成プログラムの【スカラーアスリートプロジェクト】の5期生としてU−18に入団し、高校は京都にある立命館宇治高校へ入学しました。
入学した春から背番号9を背負うなど、期待されていたみたいですね!
2010年高校2年の時シーズン途中に、2種登録選手としてトップ登録されて、トップチームに帯同しました。
その後一旦登録を解除されて、京都サンガF・CU−18のメンバーとして、Jリーグユース選手権大会に出場しました。
この大会では、エースストライカーとして、のちにプロ入りをする駒井善成・伊藤優汰・下畠翔吾・山田俊毅・原川力・高橋祐治・杉本大地・三根和起・國領一平達と『京都サンガF・Cユース黄金時代』と呼ばれていたメンバーを率いてベスト4への進出を果たしました。
2011年再びトップチームに登録をされました。
トレーニングマッチであるジュビロ磐田戦では、みごとなハットトリックを挙げるなどしてチーム内での評価を高めていきました。
2012年京都のプロチームへ昇格しました。同年2月17日には、日本代表に選出されるなどで、各サッカー雑誌や各メディアから「J2得点王候補」として名前が挙がるなどして注目を集めていました。
キリン・チャレンジカップでも活躍を期待!
中学生から国内で活躍をし、今では海外でも有名なストライカーとして、活躍中の久保選手ですが、今月日本代表として試合に参戦します。
参戦する試合は、KIRIN CHALLENGE CUP2017です。
6月7日(水)19時25分東京スタジアムにてナイトゲームが開催されます。
SAMURAIBLUE(サッカー日本代表)対シリア代表選手です。
キリンカップやその後の日本代表としての試合に向けて海外でプレーする選手たちがチームに合流して今トレーニングに励んでいます。
SAMURAIBLUE(サッカー日本代表)の応援と共に今大活躍中の久保裕也選手の迫力あるプレーに目がはなせません!!
みんなで応援しましょう。
ここまで久保選手について色々と記事をまめてきましたが、久保選手がこんなにも国内外での活躍が出来ているのは、幼い頃から厳しいいご家庭で育ちつちかった精神力が今の彼を生み出したのだとの思います。
さらには言語の違う異国の地で、言語の違いから脱落していく者が居るなかで、必死に食らいつき、コミュニケーションを自らはかり、ときには、求められてるポジョンではなく自らのポジョンでプレースタイルを貫き通すという素晴らしい意志をもっている久保選手です。
そんな彼が将来海外での活躍と共に、若手日本代表選手として、これからのサッカー日本代表をどの様に引っ張っていくのかがとっても楽しみになりました。
最後までご覧いただきありがとうございます。