平昌オリンピックの新種目ビッグエアーはスキージャンプのような急斜面から滑り降りて、踏み切り台から飛び出してエアと呼ばれる技を見せて得点を競う競技です。

ジャンプの飛距離36m以上となり大技が展開される競技です。
競技ルールと採点方法
予選を勝ち抜いた上位10名が決勝に進出します。演技は予選で一人2回演技を行って競い、決勝では一人3回行い点数が高い2回の演技の合計得点が採用され得点対象の2回の演技は別の技で行います。
6人の審判員が最高点と最低点を除いた平均がその選手の得点となります。
採点基準のポイント
採点の基準は技の難易度、完成度、着地で判断します。
選手の空中動作、飛距離、着地の美しさなどが基準となり100点満点で採点されます。
ジャンプ台からの技ひとつで採点されるので、ハーフパイプなどと比べて単純明快な競技といえます。
技の難易度が高得点のカギとなりますが、男子ではホルダー・ヘルガソン選手がバックサイド・ダブルコーク1260(縦4回転、横5回転)を完璧に決めて100点満点をたたき出しました。
同じ技でも高く飛び、飛距離を長く伸ばせばそれだけ得点も良くなります。
さらに空中で板のエッジを掴むグラブという姿勢を取れば得点は伸びますし、このグラブを取らなければ得点は伸びません。
さらに着地で手をついたり転倒すれば得点は伸びません。
ビックエアーの技は多彩
ビッグエアーの技としては回転数があります。
半回転は180、1回転は360、1回転半が540、2回転720、2回転半900、3回転1080、3回転半は1260と言われています。予選突破は900がひとつの目安となっています。
さらに回転方向としてフロントサイドスピンといわれる進行方向に対して体を開く方向に回ります。
バックサイドスピンはその逆で進行方向に対して振り向くように背中側に回っていきます。
一般的にバックサイドスピンの方が回転数を増やすのが難しいので、バックサイド1080などの技が出てくると大会も盛り上がってくる考えられます。
さらにスイッチスタンスといわれる自分の滑りやすいメインスタンスとは逆方向に滑るスタンスがありますが、このスイッチスタンスから滑る技のほうが難易度が上がり得点も上がります。
たとえばスイッチバックサイド1080という技はスイッチスタンスからバックサイド方向へ3回転する技となります。
そして最も重要なのがカッコ良さをあらわすスタイルです。
いくら技の難易度が高くてもかっこ良くなければ得点は伸びませんので、これらを総合して得点が出され順位が決まっていきます。
トップ選手たちはジャンプの高さ、距離、技の回転数などに個性あふれるかっこ良さを見せつけてくれるはずなのでそれを目当てに観戦することがこの競技の魅力といえます。
注目の日本女子代表選手
ビッグエア―に出場する日本女子代表は4名が決定しています。
・藤森 由香
・広野 あさみ
・岩渕 麗楽
中でも岩渕麗楽(れいら)選手が注目です。

キララクエストクラブ所属ので岩手県一関生まれ、一関学院高校に通う16歳です。
3月全日本選手権スロープスタイル優勝、4月世界ジュニア選手権スロープスタイル&ビッグエア準優勝しています。
9月のW杯スロープスタイル4位、W杯ビッグエアで優勝しています。
1月27日に米コロラド州アスペンで行われたウィンターXゲームズでも2位に入り、ますます調子を上げてきていますね。
得意技はバックサイドダブルコーク1080と呼ばれる縦2回転、横3回転の大技です。
そして鬼塚雅選手は18歳ながらこの種目女子での第一人者2015年の世界選手権で金メダル、2017年の世界選手権では銅メダルを獲得しています。

2017年9月に行われたワールドカップ開幕戦ニュージーランド大会では、見事に2位に入っています。
得意技は、逆向きスタンスから2回転半回すキャブ900ですが、他にもバックサイド・ダブルコーク1080という縦横に高回転で回る技も持っています。
ライバルはアメリカのジュリア・マリノでキャブ900ダブルコークという大技を持つ20歳の実力者です。
ノルウェーのシリエ・ノレンダルはスノーボードの国際的大会エックスゲームで4度の優勝を誇ります。
ビッグエアー女子ビッグエア予選は2月19日(月)!生放送時間をチェック!
男子代表の注目は大久保勇利
ビッグエア―に出場する日本男子代表は2名が決定しています。
・國武 大晃
中でも大久保勇利選手のメダル獲得が期待されます。

昨年12月3日ドイツのメンヘングラッドバッハで2位に入りました。
現在17歳で青森山田高校の通信制札幌校に通っています。
得意技は4回転半のジャンプ、高いバランス感覚から大技を決めます。
スポンサー探しに苦慮しており地道な活動が好感を呼びます。
海外勢ではノルウェーのマルクス・クレベランの強さが際立っており、ワールドカップ通算3勝を挙げ、1月27日に米コロラド州アスペンで行われたウィンターXゲームズでも優勝して勝負強さを見せ付けています。
ビッグエアー男子予選は2月21日(水)!生放送時間をチェック!
日本代表のメダルの可能性は?
日本勢は男女共に軸になる有力選手がいますのでメダルが期待できると思います。
特にこの種目はかなりの高角度からの踏み切りになるので大技を狙った選手が転倒するアクシデントもありますのでかなり危険性の高い種目と言えます。
しかもオリンピックという重圧は選手でしか分からない感覚がありますので、有力選手がミスをする可能性もあります。
日本人選手は確実に大技を決めてプレッシャーをかける試合ができれば面白くなりますね。
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まとめ
平昌五輪新種目ビッグエアーのルールや見所について調べてみましたが次のことがわかりました。
・平昌五輪から新種目となったビッグエアーはジャンプの飛距離36m以上となり大技が展開される競技
・予選は2回の演技の合計得点から上位10名が決勝進出
・決勝は3回の演技のうち得点の高い2回の合計得点で最終順位が決まる
・採点の基準は技の難易度、完成度、着地による100点満点
・同じ技でも高く飛び、飛距離を長く伸ばせば高得点
・空中で板のエッジを掴むグラブという姿勢をとればさらに加点
・ビッグエアーの技は多彩で回転数によって難易度が変わる
・難しい技でも完成度が低くカッコ悪いと得点は伸びない
・日本女子代表は鬼塚 雅、藤森 由香、広野 あさみ、岩渕 麗楽の4名
・日本男子代表は大久保 勇利、國武 大晃の2名
・海外選手も強いが大技を狙った選手が転倒するアクシデントもあるので金メダルの可能性もあり
この競技はまだまだ認知度が低いので選手たちはスポンサーを探しながら競技生活を送っています。
是非オリンピックでメダルを取って日本国内の認知度を上げて世界に羽ばたいていく選手を何人も見たいと思っています。